海藻資材の概要

海藻資材とは?

[海藻資材の背景]

 アンデス貿易が取り扱っている海藻資材は下記の海域に繁茂する海藻を原料に使用しております。

  1. 北欧から北米にかけて流れる北大西洋海流域に繁茂する『アスコフィルム・ノドサム』
  2. 東南アジア近海に繁茂する『ホンダワラ』
  3. 南アメリカ・チリ海岸一帯に繁茂する
    『レッソニア』
  4. 南アフリカ海岸一帯に繁茂する
    『エクロニア・マキシマ』
  5. 中国・山東半島近海に繁茂する
    『ラミナリア・ジャポニカ』

 これらの地域は自然環境が豊かで、この環境で育った山野の草木や樹木が長い年月を経て土に還り、こうして出来上がった土壌生態系の中を流れる河川が、豊富な栄養分を海に運んでくれます。この様に栄養分の豊かな海域で繁茂した海藻には海藻特有のアルギン酸・ラミナリン・マンニット・フコイダン等の多糖類、各種ミネラル、アミノ酸、ビタミン、天然の植物成長促進因子群等の動植物の生育に必要な栄養分が豊富に蓄えられ、飼料や肥料の原料としてとても有用な資材となります。

海藻写真

飼料としての海藻資材

[特徴と使用効果]

地球上のあらゆる栄養を吸収し、光合成により育った海藻は、すべての生物が必要とする海藻特有の多糖類、各種ミネラル、アミノ酸、ビタミン、微量要素などを豊富に含有しているので、家畜や養魚にとっても貴重で必要不可欠な栄養源です。

陸上植物には消化障害物質などが見られますが、海藻には有害物質などがまったくなく、安心して利用できます。また、特に養魚に与える場合は、陸上で育った植物よりも海中で育った植物である海藻を与えた方が魚の生理上良いと言えます。近年では、自然界の植物である海藻の中に存在する免疫賦活物質が注目されており、世界中で広く利用されています。

特にノルウェーにおけるアトランティックサーモンの養殖場での海藻粉末の利用はよく知られており、味の良さは抜群の高い評価を得ています。この他に薬や添加物の規制が厳しい中、海藻粉末は天然の栄養補給源として世界中で重要視されています。

肥料としての海藻資材

[特徴と使用効果]

 海藻は海藻特有の多糖類、ミネラル、ビタミン、アミノ酸、天然の植物生育に関与する分泌成分などの60種類以上の栄養素が豊富に含まれている理想的な有機質肥料で、古くから農業に利用されております。農業で海藻資材が長く使われ続けている理由は、海藻に含まれている成分の様々な生長促進効果にあります。

 また、これらの成分は葉や根から吸収される効率も良く、植物生理活性物質としても大変注目されており、安心・安全で良質な作物の生産に最適な資材です。海藻に含まれている天然成分の主な働きは下記の通りです。

■多糖類の働きについて

 海藻の主成分アルギン酸類は水分を吸収すると膨潤し、非常に粘度の高い水溶液をつくる性質があります。この性質は土壌改善を行う際に有効に働きます。
 まず、土壌中のアルギン酸類の含有量が増えると、水分の保持力が高まり、土壌水分が安定化し、有用微生物の繁殖を促し、土壌の団粒化が促進されるなどの働きがあります。この様なアルギン酸類の性質と働きにより土壌構造、土壌環境、土壌微生物層の改善効果が期待されます。
 また糖類はそれ自体がエネルギー源や植物体内の各物質の基材となるほか、土壌微生物、水生微生物など有用バクテリアのエサとなって増殖させ、植物の生育環境を整えたり、植物に栄養分を与えたりする素となります。

■アミノ酸の働きについて

 海藻に含まれているアミノ酸は植物に吸収されやすい形で存在しており、根や葉から大変良く吸収されます。通常、アミノ酸は根から吸収された窒素成分を基に植物体内で合成されます。窒素成分は土壌で肥料が微生物等によって分解された状態になり、根から吸収され、植物体内でエネルギーを消費しながらアミノ酸に合成され、それからたん白質等に合成されます。
 ところが、海藻のアミノ酸はそのままの状態で葉や根から吸収されるので、吸収された後はすぐにたん白質等の合成に直接かかわります。通常の肥料に比べ、効率良く作物の発育を促進させます。

■ミネラルの働きについて

 ミネラルなどの微量要素は窒素、リン酸、加里成分の吸収効率を上げる効果があります。
 またアミノ酸や糖類と結合し、生命の維持や発展に必要な酵素やホルモンなどの物質を作るのに大変重要な役割を持っており、作物の食味や品質、収量の向上に必要不可欠です。

■天然の植物生長促進因子群の働きについて

 植物生育に関与する分泌成分群は、花着きの増加、根や茎の分枝や伸長の促進、耐寒性の向上、果実の成熟促進、老化防止など、植物全般の生育に大変重要な役割を持っています。

 これらの海藻資材に含まれている有効成分によって生長が促進された植物は、自然と細胞が増えて行くので、それに応じて窒素成分消費量が増えます。窒素はアミノ酸を作り出す為に必要な成分です。植物にとってアミノ酸はタンパク質・核酸・生長ホルモン・酵素・ビタミン等を作っていくために必要不可欠なものです。作物は多くの細胞から作られており、その細胞はタンパク質や核酸等から作られています。作物が生長し続けるのは、根や葉から吸収した窒素成分から作られたアミノ酸を使ってタンパク質等を作り、細胞の数を増やし続けているからです。

 また、海藻資材の生長促進作用により土壌中の窒素成分が効率良く消費されていくので、硝酸態窒素等の残留対策にもなり、環境負荷の軽減にもつながります。

 このように飼料や肥料として使われている海藻資材の有益性を、アンデス貿易の海藻資材シリーズで是非お試し下さい。